誰もが一度は気にしたことがあるだろう、汗をかいた後の脇のにおい。
私、ワキガの匂いする?と他人に聞けるはずもなく、自分で嗅いでは自問自答する人も少なくないはず。
というのも、ワキガの人は自分の悪臭に気付きにくいという特徴がある。
これについては全ての人が気付いていないかというと、そういうわけではなく、もちろん気付いて自分のコンプレックスとして受け止めているひともたくさんいる。
だが、実際に気付いていない人がいるのも確かだ。
本来、人間の嗅覚というのは、匂いに慣れるようになっている。
旅行から帰ってきた際、自分の家の匂いで心が落ち着いたり、友人の家の匂いに違和感を感じたりと、普段と違う匂いにだけ反応するようにできているのだ。
よって、喫煙者は自分がタバコ臭いとは気づかない、魚を扱う仕事の人、揚げ物屋さんで働くひと、それぞれが持っている匂いというのは、人に言われなければ気づかないことが多いのだ。
ワキガに関しても同じことがいえる。
わきがには腋臭症というれっきとした病名がある。
主な症状は、脇の下のアポクリン腺から分泌された汗(これ自体は無臭)と、皮脂腺から分泌された汗(運動時にかく汗)が混じり合い、皮膚や脇毛の常在細菌がこれを分解することにより臭いを発する物質が出来上がる。
これだけ聞くと、誰でもなる可能性があるということになる。
では、何故臭う人と臭わない人がいるのか?その違いはアポクリン腺などの汗腺の量の多さが関係する。
量が多ければおおいほど、分泌される汗の量が多くなるからだ。
つまり産まれ持つものなので、本人が不衛生といことではない。
また、アポクリン腺の量や体質というのは遺伝性である場合が多い。親がワキガである場合、子に遺伝する可能性は十分ある。
臭いが強くなる要因として、脂肪分の多い食生活や、肥満、不規則な生活習慣など、そのような生活をともにしている以上、体質が同じようになってしまうのは仕方がないことだ。
気づかないより、気付いた人の方が心苦しい生活をしてることもわすれてはいけない。
容易に治るものでもなく、不衛生だと思われるのが嫌で、過剰に洗ったり、外に出ることさえ困難な精神状態に陥ってしまうひとも少なくない。
そもそも、欧米ではワキガの人が多いにも関わらず、気にする人はあまりいない。
日本人はある意味神経質なほど異臭に敏感なのだ。
そんな繊細な日本人が自分がワキガだと気付いた時の精神的ダメージは計り知れない。
これほど身近にありながら、一つの病気として把握されていないワキガにはどんな解決策がるのだろうか。
大きく分けて、3つ。一つ目はアポクリン腺を減らす手術をする方法。
二つ目はデオドラント製品で臭いを消す方法。
ただし、これに関しては臭いを消すだけで、臭いのもとを除去することは出来ない。3つめは体質改善。食生活を改めて根本から治す事を目的とする。
しかし、あくまでも軽減させる希望はあっても、重度な場合はカウンセラーに相談し、病院で療法を相談してみる事をおすすめする。
参考 ワキガ